日々のこと

日々のこと

11/15月「とわの庭」「パンとスープとネコ日和 優しい言葉」読了

11/15月☀昨日は映画「老後の資金がありません」で笑って夕飯はきりたんぽ、やっぱり美味しい(#^.^#)


★★★



<とわ>は目が見えない。<とわ>によりそいありったけ愛情を注ぎ育てているのは母<あい>。とわは家の外には一歩もでられない少女に成長する。・・ただただ恐ろしいと感じつつ読み進めていく。描写は優しく美しいのが余計に怖い・・過剰な愛情に虐待が加わり母あいは突然いなくなり、食料もなくゴミ屋敷と変わっていく中で、とわは生きる。母の代わりに寄り添ってくれるのは、庭の木や花たちだった・・大きな地震が来てそれでも母あいがかえってこなかったことをきっかけにあいは母と決別することを決めて、家の外へ脱出する・・とわは「田中十和子」となる。社会の一員となることは困難の連続だった。けれど、優しく寄り添ってくれる人たちもたくさんいて・・視覚障碍者として盲導犬ジョイとともに生きていくという30歳までの物語。・・・長い映画を一本見終わった気分。前半の登場人物はほぼとわ一人で、モノクロで静かだけどおそろしい・・後半、社会に存在するようになってからはだんだん色彩が豊かになっていく。「どんなに残酷で理不尽で恐ろしい出来事があったとしても、世界は生きるに値する」ような文章を目にすることがあるがその時はぴんとこないのだが、とわの物語から思い出した言葉だった。(長靴下のぴっぴも思い出す・考えようによっては・・長靴下のぴっぴも虐待物語の一面もある・・大好きでなんども読んだのだったけど)・・


サンドイッチカフェを営む元編集者アキコさんの物語。イライラしていた心がだんだん静まり、楽しく温かい気持ちになって読了。ひなたぼっこしたような時間だった。ラストのしまちゃんとしおちゃんとアキコさんのやりとりは、アキコさんとともに涙ぐむ始末。p91「すべてが満たされている人っていないのかもしれませんね。」「みんなそれぞれ持っているもの持っていないっものがあってそれを他人と比べる必要はないんですよね」p129「死は誰もが初めて経験することだから不安なんでしょうね」等々