日々のこと

日々のこと

12/2水 読書中「犯罪小説集」「ジェーンスー生活は踊る」「短歌集滑走路」

ホウレンソウ卵焼き切干に冷凍めん地ポテト揚げ


★★★


◆「犯罪小説集」吉田修一


p5~青田Y字路 ある集落に住み着いて30年になる母と息子。少女失踪事件が起こったときまずうたがわれたのはこの息子だった。なぜ彼がうたがわれるのか・・その経緯や集落に住む各個人の生活や感情をたどっていく。結末は・・残酷だ 


他4編、全く飽きずに最後まで読み進める。
一番印象深いのは「万屋善次郎」かな。誠実に生きてきた男が限界集落となったふるさとに父親を看取るために帰ってきた。(前半は、横道世之介を思い出しだ・・このまま進んでいくのかなと思ってたのに・・)
故郷に帰ってきただけなのに、なぜこんな理不尽な目に合わねばならないのか。狭い集落の息苦しさは、私が10代にうんざりしていた親類縁者の濃密なつきあいを思い出させる。ラスト、犬の描写が悲しい。


p95~ 曼珠姫午睡 ある殺人事件の犯人は中学生時代の同級生だった・・驚きとともに過去を振り返っていく専業主婦・・
p165~ 百家楽餓鬼 大金持ちの御曹司の男が、ギャンブルにはまったその結末
p299~ 白球白蛇伝 裕福ではない家庭環境の中、大事に育てられプロ野球選手のなった男の末路。


◆ジェーンスー「生活は踊る」(2005)


ラジオパーソナリティでコラムニストのスーさんが、リスナーのお悩みに答えたもののほんの一部ををまとめた1冊。
相談者の横に座って「どした?」から始まって、少しづつ深堀していって、一緒に考えつつ、最後、ずばっと結論を言われたときには・・・気持ちいいぃと思わず声をあげる。誰にでもできることじゃない。スーさんは、愛と好奇心にあふれてる人なんだなあ。


相談04の回答は私的には受け入れがたいけど、そーかそういう手もあるのかと唸ってみたり・・最後までいろいろ楽しめた。


★★★


◆歌集「滑走路」


③「路上音楽家の叫び・・」 作者は路上音楽家の真正面に立っているような気がする。時間は。。21時ころ人口100万人都市の駅前・・金曜日。


p15④「挫折などしたくはないが・・・」東京という都会は・・表向きは華やかでキラキラしている、若い子はおおむね東京に憧れを抱く。その実像はいかがなものか。。東京へのあこがれを抱くのは大いに結構、だけどこういう詩から、東京で生きていくことの厳しさを想像することも必要かもしれない・・想像が難しいならば頭の片隅に置いていてもらいたい・・とまもなく高校を卒業する彼を思い浮かべる


p15⑤「破滅するその前にさえ美はあるぞ・・ 」太陽が沈む=破滅としてとらえることに驚きを感じるとともに悲しい気持ちになる。私は、夕方の真っ赤な太陽に何度も心を揺さぶられているから。圧倒的な迫力と美しさを感じる。・・破滅ととらえる作者の気持ち・・どんなにか嫌な屈辱的に感じるような出来事があった1日だったのかもしれない。


p15⑥「ぼくにとってのあなたのごとく・・」こちらは⑤句とは違い、沈む太陽を、明るく輝く笑顔のようにとらえている。とてもほっとするし私も笑顔になる。好きな誰かを思って詠んだのだとしたらとても素敵だ。